そいつは突然やってきて
まっすぐに愛してると言ったんだ
その頃のウチといえば ちょっとした男性不信
聞く耳もたずに扉を閉めて
カーテンの隙間から様子をうかがった
“どうか危険な目にあわされませんように”
ところがそいつは絶妙な距離感で
それはそれは長い月日をかけて 歩み寄ってきた
ブレない感じに心を打たれ
ウチも心をゆるしたんだ
抱きしめられても 抱きしめかえす勇気はなく
ただ自信がなくて いつも願っていたのは
“あなたが傷つきませんように”
ウチがもっと いい女だったらよかったのに
思ったことをぜんぶ素直に言えたらよかったのに
“おまえ、天邪鬼やからなぁ”
そんな言葉に甘えてしまって
言わなくても伝わってるから大丈夫と過信してた
好き って一度も言えなかった
キス すら自分からできなかった
今だからこそ思う あのときも あのときも あのときも
泣いてたのはウチだけじゃなかったんだ
東京に行くと言われたとき
ウチは踊るのをやめてもいいと思ったけど
ブレない男にはふさわしくない
ブレすぎる自分が悲しくなった
もっと もっと もっと アイデンティティを確立しないと
追いつけない背中 ただただ広くて遠かった
今なら 少し 近づけたかな
年にいちど 七夕様みたいに連絡をくれる
そのたびに言ってしまう
“待ってるよ”
自分でもよくわからない 冗談ぽいけど本当かもしれない
少なくとも ウチが決めてること
別れた27歳の頃から 年をとらないでおこうと
好きだと言ってくれた そのままの自分の姿でいたいと
つぎ会ったときに また かわいいねって言ってもらえるように
負けたくない でも 超えたくない そんな存在
元気ですか?
あったかくなったら
会いに行こうと思います





















